玄関アプローチとは
家の敷地に一歩足を踏み入れたところ(門まわり)から玄関に至るまでの通路を「玄関アプローチ」といいます。
門まわりと同様に、街並みにつながるフロントエクステリアの一部であり、
訪れる人がはじめに目にするところ・・住まいの第一印象を決める大切な部分です。
また、家族が毎日通る場所であり、たまの来客を迎え入れる場所でもある玄関アプローチは、
安全で歩きやすく、丈夫なものである必要があります。
また、防犯性やプライバシーの確保なども、
快適な毎日を送るうえで必要不可欠な要素です。
それと同時に、住む人の配慮がもっとも表れるところでもあるので、
デザインの美しさや周囲の景観との調和、空間の豊かさなどさまざまな工夫が求められます。
「おしゃれな家」・「すてきな家」・「美しい家」として、
地域の街並みに貢献できるこだわりの空間をつくりたいものですね。
おしゃれな玄関アプローチにおすすめの素材
玄関アプローチは前述のとおり、住まいの印象を左右する重要なエリアです。
おしゃれで美しく、住む人のセンスの良さを表現したいところですね。
とはいえ毎日人が通る場所なので、歩きやすさ、滑りにくさなどの安全面を第一に考える必要があります。
そこに暮らすご家族のライフスタイルをもとに、
メンテナンス性や機能性、安全面、防犯性に加えて、
建物や周囲の街並みと調和するか、仕上がりのイメージはどうかなどを
総合的に考えて設計・デザインします。
素材にはそれぞれメリット・デメリットがあるもの。
私たちが考える、玄関アプローチに取り入れるおすすめの素材ベスト3をご紹介します。
おすすめ1 敷石・石畳み
│敷石
敷石とは、板状の石材のことをいいます。
国産の石では御影石や石灰岩、石英岩などがよく使われるほか、インド産のヴィスタストーン、英国産のウインザストーンなど海外の石を使うのもおしゃれです。
敷石を敷くだけで、ぐっと高級感が出ます。
│石畳み
石畳みとは、立体的な天然石を表面が平らになるように敷き詰めた舗装のことをいいます。
敷石は平らにに切り出された石を使いますが、石畳みはブロック状に割り出した石を使用します。
天然の石を使うため価格は少々お高めになりますが、経年劣化により塗装が剥げたり、ヒビが入ったり、接着剤を使用しなければならない人工的な素材とは違い、もとが自然素材ですので劣化することがありません。
メンテナンスも楽で割れにくく、風化さえも味になる おしゃれなアプローチをつくることができますよ。
敷石・石畳みのメリット
石をびっしりと並べることで床を平らにし歩きやすくすること、雑草を生えにくくすること、
高級感・重厚感が出せること、雨によるぬかるみ防止などです。
石の形も、四角く切り出したものや三角形、台形などさまざまです。
市松模様のように並べるもよし、モザイクアートのように乱張りにするもよし。
使う石の種類や、天候、季節によっても表情が変わります。
高級石材である大理石は、とても滑りやすいのでアプローチには使用しないほうが◎です。
おすすめ2 洗い出し
洗い出しとは、コンクリートが固まる前に表面を水で洗い流すことで原料である砂利(石)を露出させる施工方法です。
耐久性に優れ、滑り止めの効果があります。
飾らない色合いと素材感がアクセントになって、素敵に仕上がります。
材料の配合や水の流し具合、拭き取りのタイミングなどの小さな違いによって、雰囲気が大きく変わります。
洗い出しのメリット
コストは低めなのに、和風にも洋風にもよく合い、おしゃれに仕上がります。
混ぜ込む石の色や大きさ、天気、光の加減によっても見え方が変わるので飽きがこないところも魅力です。
将来にわたって見た目も質もほとんど変わりませんので、安定した美しさを保つことができます。コンクリートの強度は欲しいけれど、滑りやすさや経年劣化による黒ずみ・苔が生えるのが気になる…という方には特におすすめです。
おすすめ3 植栽
玄関アプローチに欠かせないのが植物です。
人は、緑越しに見る建物を本能的に「美しい」と感じます。住まいに植栽された樹や下草、花々は、
四季折々の美しさで住む人の心と暮らしを潤し、ストレス社会で頑張ってきた家族を癒してくれますよ。
花壇を検討している場合は、高さを設けずにじかに植栽したほうが見た目の重心が下がり、
空間を広く感じさせることができます。
お気に入りの樹を探して、シンボルツリーを植えるのもおしゃれですね。
植栽のメリット
一般的に門周りは小さな空間になることが多く、門扉や壁、床だけで仕上げることも少なくありません。
ですが、その平坦な空間に植物が加わると、視覚に変化と奥行きが生まれ、立体的になります。
植物が持つ自然な温かみは、無機質で寂しい印象を和らげ、優しく魅力的な空間に変えてくれます。
永く愛せる、飽きのこないエクステリアのポイントは「自然素材」
お気づきでしょうか。
3つのおすすめに共通する「自然素材」がポイントです。
一般的に人工的に作られたものは、いつか錆びたり剥げたり壊れたりしてしまうもの。
経年劣化は避けて通ることができません。
一方で自然素材を使ったエクステリアは、風化して欠けてきたとしても、
雨風で汚れたとしても、それが味になり、深みが出てきます。
自然の素材は、もともと長い年月をかけて形作られてきたもの。
エクステリアとして迎え入れたその日から、月日を追うごとに趣が増し、良い雰囲気になっていきます。
下草や植栽も、家族とともに成長します。
四季折々、表情を変えて暮らしに彩りを添えてくれます。
自然素材を使った、自然造形のエクステリア。
それはすなわち、永く愛せる飽きのこないエクステリアをつくるということです。
私たちは、将来にわたってずっと楽しんでいただけるエクステリアを作りたいと考えています。
ですから、なるべく人工的な外構物の使用をおさえ、人と環境に優しいデザインを心がけています。
それは、帰るとほっとする家、心の安定した生活、そしてお子さまの健やかな成長を守ることにつながる。
そう思うからです。
そのほか、玄関アプローチに使える素材のご紹介
コンクリート
光をうけて、敷地全体を明るくしてくれるコンクリート。
洗い出しのコンクリートと交互に使って単調さを解消したり、仕切りかたを工夫しておしゃれに仕上げたりと、
形が決まっていないので好きなデザインにすることができます。水に濡れると滑りやすいので注意が必要です。
インターロッキング
ブロック状に加工されたコンクリートを敷きつめた舗装をいいます。
色が選べたり、並べ方をアレンジすることでさまざまな表情をつくることができます。
経年劣化により塗装が剥げてくると、中のコンクリートがむき出しになってしまうことがあります。
枕木(まくらぎ)
ナチュラルに仕上げたいのなら、枕木もおすすめです。木の温かみが、家全体の印象をやわらかくしてくれます。
芝生とよく合い、彩り豊かな玄関アプローチに仕上がります。
芝生
レンガや枕木との相性がよく、ナチュラルな玄関アプローチをつくることができます。
カントリー風のお家にもよく合います。
雑草の生える隙間をなくす位にまでびっしりと芝を育てる工程や、今後の管理のことなどを考えると、
成長が遅い種類で、なおかつ目の詰まっているシート状の芝生を選ぶのがおすすめです。