想いを受け継ぐ庭
お父様の想いを受け継ぐ庭
群馬県高崎市。昔は路面電車が通っていました。
線路沿いに使われていた敷石を、お父様が好きでとっていらしたとのこと。
その想いを大切に受け継ぐお庭です。
色味や表情の異なる敷石を丁寧に敷き並べ、そのすき間にはゴロタ石。
曲線を描く芝生ゾーンに敷石がかかる様子は、上からみると
丸い月に雲がかかっているようなデザインになっています。
地元の川を連想させる造形
近くに流れる川をイメージして
大小さまざまな川砂利をふるい分けて造形しました。
奥に佇む門柱は大谷石を使用しています。
明るい色味と、風情ある質感が特徴です。
敷地に高低差があり、入口からアプローチ、建物にかけて高くなっているため
あまり高い門柱を構えなくても、道路から家の中は見えません。
低く横に広がる大谷石は、重厚感のある目隠しとしても一役買っています。
左側にずっしりと構えているのは手水鉢(ちょうずばち)。
本来、茶室のお庭や露地などに設けられ、手を洗うための水が入っているものです。
敷地にあった既存の手水鉢を、アクセントに持ってきました。
スラリと背の高い庭木
背の高い木は、緑の葉が上に広がるので
窓越しにお庭を眺めたとき、視界を狭めることがありません。
そして、庭に出て見上げた時の美しさと、夏に感じる木陰の心地よさ。
四季折々の変化をぜひ楽しんでいただけたらと思います。
多方向から楽しめる坪庭(つぼにわ)
坪庭とは、塀や垣根で囲まれた小さな庭のことをいいます。
玄関アプローチの格子の奥には和室があり、
和室の窓の外に広がる小さなお庭を、モミジと下草、天然石とライトで彩りました。
先ほどの大谷石が背景となり、全体を明るく引き立てます。
日中は草花に光が降り注ぎ、緑を楽しめる爽やかで心地いい空間に
夜はライトアップにより美しく幻想的な雰囲気にと、
玄関に向かうとき、和室でひと息つくとき
季節や時間によって変化する景色を違う角度から楽しむことができます。