春がもう、すぐそこまで来ていますね。
暖かくなると、よく見かけるシロツメクサ。
クローバーとも呼ばれる、マメ科の多年草です。
四葉のクローバーを探したこと、一度はあると思います。
もともとはヨーロッパ原産の帰化植物ですが、もうすっかり日本の自然に溶け込んでいますね。
日本に初めてやってきたのは江戸時代後期で、
オランダから輸入した荷物のなかに充填材として入っていたんだそうです。
和名「白詰草」の由来はここからきているんですね。
さて、白詰草の繁殖戦略をご存知でしょうか。
シロツメクサの花は、小さな蝶形の花が50個ほど丸く集まってできています。
よく見ると、雄しべと雌しべが見当たりません。
実は、雄しべと雌しべは、花の下側にある花弁にはさまれていて普段は見えないのです。
そこへハチが飛んできて、下側の花弁に足をかけると、
花弁が押し下げられて雄しべ雌しべが現れ、ハチのおなかについている花粉にふれて受粉するのです。
そして受粉がおわった花は茶色くなり、下向きに垂れ下がります。
こうして、外側の花が受粉をおえて下向きになると、今度は内側の花弁にハチが足をかけ、
内側の花が受粉できるという仕組みになっているのです。
受粉のすんだ花が垂れ下がることで、受粉のすんでいない花にチャンスを譲っているのです。
なんて仲間意識が強くて、団結力があって、思いやり深いんでしょう。
なんて。
シロツメクサを見つけたら、その小さな世界をぜひ観察してみてくださいね。